• Diving-ホヤ類

    [004] シロヒスイシトネボヤ

    [目] マメボヤ目
    [科] ウスボヤ科
    [属] シトネボヤ属
    [学名] Lissoclinum perforatum
    [標準和名] -
    [性質] 群体
    【愛称】 -
    【推奨呼称】 シロヒスイシトネボヤ
    (白翡翠褥海鞘)

    これも標準和名があるかもしれませんが、ネットでなかなか見つけられませんでした。勿論、論文検索なんか行うはずがありません。
    コレも勝手に呼び名を決めてしまいます。これからはシロヒスイシトネボヤで宜しくお願いします。この推奨呼称を世に広めていきましょう!
    ちなみに白翡翠(しろひすい)はこんな感じの貴石です。

    shirohisui.jpg

    実はですね、この名称にはちょっと自信がないのです。というのは、Lissoclinum perforatumと似た形態のホヤに、同じシトネボヤ属のLissoclinum fragileというのがいて、私の目にはまったく区別ができません。ちなみに、このLissoclinum fragileも標準和名が分からないので、実物を見たことがないにもかかわらず勝手に呼び名を決めています。Lissoclinum fragileについてはジュンパクシトネボヤ』(純白褥海鞘)という呼称を推奨しています。宜しくお願いします。
    真っ白の群落で、崖面でも一際目立ちます。群落のサイズは約15~20cm前後です。共通排出口と考えられる大きな孔が数個と、個虫の入水口と考えられる小さな孔が無数に見られます。流れがよい場所では綺麗な真っ白に、水が澱み気味の場所では藻類が表面を覆っているかもしれません。
    表面や基部には石灰化のようなものは見られません。
    今回紹介した学名のうち、“perforatum”は穿孔とか穴が空くという意味ですが、これを推奨呼称には組み込めなかったため、見た目の美しさを名前にしてみました。
    可能性のあるもう一種の学名にある“fragile”は壊れやすいという意味です。これも推奨呼称に反映できなかったため、見た目を名前にしてみました。
    さてさて、この2種のどちらかに当てはまっているのか、はたまた全然違う種類なのか、紹介しておきながら無責任にもドキドキしています(笑)。ただ、形態からはウスボヤ科だろうとは思っていますので、シトネボヤ属やミスジウスボヤ属、ウスボヤ属のどれかだろうと思います。
    詳しい方がいらっしゃったら、是非ご指導下さい。というわけで、今回はLissoclinum perforatumシロヒスイシトネボヤとご紹介させていただきます。
    シロヒスイシトネボヤ lissoclinum perforatum_0009 シロヒスイシトネボヤ lissoclinum perforatum_0010

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    [003] アイイロリングボヤ

    [目] マメボヤ目
    [科] ユウレイボヤ科
    [属] ムネボヤ属
    [学名] Rhopalaea circulata
    [標準和名] -
    [性質] 群体
    【愛称】 -
    【推奨呼称】 アイイロリングボヤ
    (藍色輪状海鞘)

    もしかしたら標準和名があるかもしれませんが、ネットでなかなか見つけられませんでした。
    というわけで、勝手に呼び名を決めてしまいます。これからはアイイロリングボヤで宜しくお願いします。この推奨呼称を世に広めていきましょう!
    沖縄の海で比較的よく見られる種類です。群体性と記述されているものを1サイト見つけましたが、実際に2個以上で存在しているのを見たことがありません。ネット上では群体ボヤらしく、側枝/茎から複数が出芽する写真が掲載されています。検索してみてね。というわけで、このホヤについては群落形成をしているものを早く見つけたいです。
    個虫は意外に大きく、2~7cm程度と全長には幅があります。また、内部の鰓嚢もよく見ると綺麗に見ることができます。粘れるのであれば、出水口が閉じるところをmovieに撮っても良いでしょう。
    日当たりが良く、水の澱まない場所によくいます。冬場に多く見られますが、夏の海にもいます。水深はちょっと深く、5m以深、10m前後によく生育している印象です。統計をとっているわけではありませんのであくまで私の主観です。次回から水深も注意しますね。
    綺麗なホヤですので、海中でじっくりと楽しんで下さい!

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    アイイロリングボヤ_004アイイロリングボヤ_005

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    [002] ワモンツツボヤ

    [目] マメボヤ目
    [科] ヘンゲボヤ科(亜科省略)
    [属] ツツボヤ属
    [学名] Clavelina cyclus Tokioka & Nishikawa
    [標準和名] ワモンツツボヤ (輪紋筒海鞘)
    [性質] 群体
    【愛称】 -
    【推奨呼称】 -

    以前は『ワモンクラベラ』と呼ばれていたので、クラベラ属と覚えている方も多いかもしれません。
    今はClavelina属は「ツツボヤ属」と統一されています。
    群体性で、茎を共有して出芽するようです。青白い、透明なボディが綺麗で、入水口の白い輪が特徴的です。水中で見ても一発で分かるぐらいに目立ちますよ。
    似たような形態のホヤに『Clavelina zobustra』(標準和名無し)という種類がいます。こちらは入水口周囲の輪が中途半端だったり、完全なリング状でも全体の色が淡い紫~青紫色だったりと変異種が多いです。私の短いダイビング経験の中で、水中で見つけたことはありません。どういった場所に生育しやすいのか不明です。スミマセン。
    『ワモンツツボヤ』の大きな群落を撮ってみたいのですが、いつも単体だったり、数個の個虫だけだったりです。冬にかけて探しまくります。
    単体で存在する『ワモンツツボヤ』には出水口が下を向いている個体が見られることがあります(写真2枚目)。群落で生育する場合は、通常は12時方向を中心に向いていることが多いです(写真4枚目)。このことから、出水口が下方向(6時方向付近)を向いている個体については、有性生殖で固着した際に着床方向がずれていた可能性があります。側枝や茎を形成して個虫を増やす際には、正しい向きに発生すると思われます(写真4枚目)。これはいつか証拠写真を撮りたいです(あくまで私の推測なので)。
    『ワモンツツボヤ』は2~15m程度と比較的浅い部位にいますので、体験ダイビングでも十分に観察可能です。

    Clavelina cyclus_001 Clavelina cyclus_002
    Clavelina cyclus_003 Clavelina cyclus_004