• Diving-ホヤ類

    [007] ワモンハナダボヤ

    [目] マメボヤ目
    [科] ヘンゲボヤ科
    [属] ツツボヤ属
    [学名] Clavelina zobustra cf.
    [標準和名]-
    【愛称】-
    【推奨呼称】 ワモンハナダボヤ (輪紋縹海鞘)
    [性質] 群体

    タイのアンダマン海で初めて見ました。
    感動だったのを覚えています。
    慶良間諸島や沖縄本島周辺でよく見られるワモンツツボヤ(輪紋筒海鞘)に似ていますが、別種です。
    個虫全体の色が花田色に近いのでワモンハナダボヤ(輪紋縹海鞘)と命名しました。
    とても美しいです。
    見たのが1回だけなので、生育場所や個虫の詳細が分かりませんが、およそ他のツツボヤの仲間と変わらないと思います。
    群体性なので、群落の個虫はほぼ同一です。
    鰓嚢などの内部の性状は覚えていませんが、写真を見る限りはワモンツツボヤ(輪紋筒海鞘)とほぼ同じく白色~透明で格子状の筋があると思われます。

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    下はワモンツツボヤ(輪紋筒海鞘)です
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    [006] ユカリボヤ

    [目] マメボヤ目
    [科] ヘンゲボヤ科ツツボヤ亜科
    [属] アーキジストマ属
    [学名] Archidistoma rubripunctum (?)
    [標準和名]-
    【愛称】-
    【推奨呼称】 ユカリボヤ (縁海鞘)
    [性質] 群体

    慶良間諸島や沖縄本島周辺ではよく見ることができるホヤです。
    ツツボヤ属とは近縁のため、形状は似ています。
    紫地ですが、白点や線状の紋様は個体によって様々で、色も白から黄金色と多様です。
    これが、このホヤの魅力でもあります。
    1個体で存在するものや2個体で生育するものが多いのですが、真栄田や万座辺りでは群落形成しているものも見られます。
    1群落内の紋様はほぼ同一で、出芽によって増殖していることが分かります。
    観察の機会があれば、近隣のユカリボヤとの紋様比較をしてみてください。
    内部の鰓嚢は白色から透明で、格子状の構造が見られ、とても綺麗です。
    個虫はとても柔らかく、潰れやすいので注意が必要です。
    入水管と出水管の間にある脳神経複合体が存在する部位付近に、●丸い紋様がある個体があります。
    これがない個体もあり、同一種か、別のツツボヤの仲間か判断が難しい場合があります。
    流れのある場所に多いのですが、穏やかな場所にも生育します。
    こけ状の付着物が着いていることがあり、寿命は長いようです。
    個体分布に季節性の増減はありません。

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    [005-01] チャツボボヤ

    [目] マメボヤ目
    [科] ウスボヤ科
    [属] ウスボヤ属
    [学名] Didemnum molle
    [標準和名] チャツボボヤ(茶壺海鞘)
    [性質] 群体
    【愛称】 -
    【推奨呼称】 -

    とーっても有名で希少価値0に近いホヤですが、実に奥深いホヤなので、チャツボボヤについてはシリーズ化して載せていきたいと思います。請うご期待!(って、あんまり期待しないでネ)
    最初なんで、形態から。
    茶壺というよりも、時代劇でよく見る火鉢に似ているような気がします。海中では共同出水口のグリーンがとても鮮やかで、おそらく最も美しいホヤの一つです。グリーンは深い色よりは蛍光グリーンに近いです。大きさは数mm~4cm以内程度です。
    サイズは実に問題です。
    時々バカでかいチャツボボヤを見ることがあります。10cm程度以内ですが、いつも見ているのとは違って、ちょっとグロテスクな形態です。
    数年前の論文を見ていると、チャツボボヤの学名を次のように分けています。
       3cm以内 Atriolum robustum
       3cm以上 Didemnum molle
    最近の新しい研究では、どちらも同じ種類であることが分かってきているようで、大きさにかかわらずDidemnum molleという学名を用いるようになっているようです。ということで、このブログでもDidemnum molleを採用しています。
    また、新しい研究では沖縄近海のチャツボボヤは少なくとも4種類の亜種が存在しているようです。これは見た目にも区別できるようで、1)表面が純白に近い種(写真右下)、2)表面に茶色や黒が存在する種(写真左上)、3)表面にも緑色が存在する種(写真右上)、4)黒い斑を有する種、などなどのようです。本来はもっと区別できるようですが、限られた時間で海中で観察するには見た目が一番です。
    さて、チャツボボヤで最も有名なあの“蛍光グリーン”ですが、これは内部に『原核緑藻類』を飼っているのだそうです。光合成をしてくれるので葉緑素が含まれているんですね。だから緑です。ちなみに、チャツボボヤは原核緑藻類がいなくてもある程度は生きられるようですが、原核緑藻類は単独では生きられないようです。では、どこからやってくるのだろう?
    いろいろと興味深いチャツボボヤですが、第一回はこの程度にしておきます。

    チャツボホヤ_01_005 チャツボホヤ_01_002
    チャツボホヤ_01_003 チャツボホヤ_01_004